【残業が多くて】仕事を辞めたい人へ贈るアドバイス

仕事を辞めたい理由

自分の残業は多い?

残業時間の平均とは

厚生労働省や、転職サイト等様々な調査がありますが、正社員の平均的な残業時間は以下の通りです。

  • 20-25時間/月
  • 1時間/日

また近年ではライフワークバランスの見直しが社会のテーマとして大きくなり、10年前と比較すると残業時間は約半分になっています。

  • 14年:40-45時間/月
  • 18年:30時間/月
  • 22年:20-25時間/月

参考:働きがい研究所-日本の残業時間 定点観測

残業と法整備

労働基準法

労働基準法では以下「法定労働時間」の原則があります。

  • 1日8時間および1週40時間が限度
  • 毎週1日以上の休日

ただ現実的に残業が発生することがあるので、次に説明する36協定を締結することで残業を行うことを可能にします。

36協定

1日8時間以上の労働が発生しうる場合には労働基準監督署に36協定の届け出を出す必要があります。36協定を締結すると以下の原則範囲で残業が可能になります。

  • 月45時間
  • 年360時間

ただしこれはあくまで原則で、従業員と事業主の間で合意があった場合は以下の範囲まで拡大されます。

  • 月45時間以上の残業は年6か月まで
  • 月の最大の残業時間は100時間まで
  • 年間の残業時間は720時間まで

これらに違反した場合は罰則である「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科されます。

感じ方はそれぞれかと思いますが、法的に許されているものの月45時間も残業したくはないというのが本音ではないでしょうか。

参考:厚生労働省-時間外労働の上限規則

残業が多くなる理由

業務量が多く人手が足らない

単純に仕事量に対して人手が足らないというのが一番多いパターンでしょう。仕事を細分化すると最終的にはなんらかの作業を行うことになりますが

  • 作業が効率化されていない
  • 作業が自動化できていない
  • 効果的でない作業が存在している
  • 人員が足らない
  • 作業量自体が評価につながる
  • 納期が短い

これらの原因によって一人当たりの作業量が多く、残業が増えている状態です。多くの場合これらの原因が複数絡み合っているので、簡単に解消できるパターンは少ないでしょう。

予定外の業務が発生しやすい

就業時間間際になんらかのトラブルや依頼が発生し、その結果として残業を余儀なくされるケースです。

  • バグ
  • 故障
  • ミスのカバー
  • 上司からの依頼

このケースは毎日数時間の残業というより突発的に何時間もの残業が発生するため、疲れているときに重なると特にしんどいですね。

不規則な顧客の対応のため

営業や営業事務、1人当たりの接客時間が長いタイプの接客業がこれに当たります。顧客からの依頼が定時間際に発生したり、来客があると残業を余儀なくされるパターンです。

また不規則ではないものの定時の中では顧客対応をせねばならず、顧客対応後の事務や明日の準備は残業してやらなければ回らないというケースも営業系にはありがちです。

上司や同僚が残業しており帰りずらい

特に若い社員でありがちですが、周りが帰らないから帰りずらくて残業してしまうというケースです。

周りの社員がなぜ残業しているかは上述の原因に当てはまることもありますが「家に帰ってもやることないから会社にいる」「会社で喋ってるのが楽しい」という人もいたりするので、無理に付き合う必要はありません

辞める前に残業を減らすには?

マルチタスクを辞めて集中する

たくさんのタスクを抱えている場合は優先順位をつけ、作業をするときは今のタスクを終えてから次のタスクを考えるというのが理想です。

例えば15分で終わるタスクでも、同時に5つ抱えると「アレはどうなってるんだっけ」「こっちも手を付けなきゃ」と一つのタスクに集中できず、結局20-30分もかかってしまうケースがあるからです。

さらにタスクに追われていると焦ってミスも増えるので、そのミスのカバーをするというタスクも発生しやすくなります。

上司に相談してみる

「残業がしんどい」ということを上司に伝えましょう。わざわざ伝える必要があるのは「残業は別にしんどいものではない」「残業は普通のこと」と思っている人が一定数いるからです。

今でこそ月の平均残業時間が20時間ほどになっていますが、10年前は40-50時間でした。なので今残業があったとしても「昔に比べれば残業が減っていて良い環境」と思っている人もいます。

ただ大事なのはご自身が「残業がしんどい」と思っていることなので、それはしっかりと伝えたほうが良いでしょう。

先回りして残業の芽を摘む

残業の原因が特定できている場合は、その原因が降っこないことを祈るのではなく、先回りして原因の芽を摘みましょう

金曜の夜に顧客や上司から依頼が来るケースが多いとわかっていれば「今日は依頼が来ませんように」と祈るのではなく、木曜や金曜午前の段階でこちらから「金曜の夜対応が難しいので、ご用件があれば早めにいただけると助かります」と連絡しておきましょう。

転職をおすすめするパターン

1秒たりとも残業したくない人

残業自体が嫌いなのではなく、今やっている仕事やチームが好きではないので絶対に残業したくないというケースに当てはまります。仕事自体に楽しさややりがいを、またはチームに一体感を感じていれば、多少の残業は受け入れられます。

例えるなら高校球児が甲子園に出場するために、部活後に家に帰っても素振りに励むイメージ。それほどまでに熱中できる仕事があればぜひ転職をおすすめしますが、別にそういったモチベーションがないなら単純に残業ほぼ0の仕事に就くのも良い選択肢です。

残業を是とする社風

「残業=頑張ってる=偉い」という社風を持った会社、もしくは上司が存在します。一方で「残業=効率悪い=仕事できない」という社風や上司もまた存在します。

どちらが正しいかは価値観によるものなので正解はないですが「ご自身は残業が嫌」にも関わらず「残業を是とする社風」の会社にいるのはあまりにしんどいので、早めに転職を考えましょう。

改善要望を出しても変わらない

残業に対する不満や改善提案を伝えても変わらないのであれば、今後は「ご自身が我慢し続ける」か「昇進して残業体質を変える」か「辞める」の3択です。

会社に大きな恩義があるなら「昇進して変える」もアリですが、それまでは「我慢」が必要です。昇進には上司の評価が必要ですが、上司は既存の仕組みの中で評価されてきているので、その上司が体質を変えようとする人間を評価するかは怪しいです。

要望を出しても変わらないのであれば、ご自身のためにも転職をおすすめします。

残業代が出ない

シンプルに搾取されているので辞めましょう。抗議することで残業代が出るようになるかもしれませんが、そもそも会社が「従業員を大切にしない」体質なので長居は無用です。

転職して「残業代で稼ぐ」という考え方を持つ人もいますが、残業するくらいなら副業で稼いだ方がはるかに効率がいいです。会社が楽しくて仕方がないというのあれば残業でもいいかと思いますが、お金を稼ぐという意味では基本残業はしないほうが効率が良いです。

転職しなくていいパターン

残業がしんどいと伝えていない

辞める前に上司や会社に残業がしんどい旨伝えてみましょう。仕事の量を再分配したり、部署の変更を提案してもらえるかもしれません。

前述したように残業をあまり苦に感じない人もいるため、あなたがしんどいと思っていることに気付いていない可能性があります。

とはいえ会社全体の文化として残業が当たり前となっている場合は、単純に社風と合っていないため転職を考えた方がお互いのためかもしれません。

残業は一過性で仕事は楽しいパターン

仕事は楽しいが、納期前や繁忙期などで一時的に残業が増えるタイプの業界/業種は、残業が落ち着いてから辞めるべきか否かを考えましょう

仕事を楽しいと感じられるのは貴重なこと。一時的に残業が増えて疲れたからと言って、すぐに辞めると決断するのは尚早です。

忙しい時期を超えたら自分へのご褒美を用意するなどして乗り越える楽しみを作ったり、閑散期のしわ寄せが繁忙期に来ないようにコントロールするなど、工夫しながら乗り越えられないかを検討しましょう。

とはいえ体調に影響をきたすほどの激務となれば、いくら仕事が楽しいとはいえ続けることは難しいため、冷静に考えられるタイミングで決断しましょう。

残業ほぼ無しか残業してもいいと思える仕事を

残業ほぼ無しの仕事

まず正社員で残業ほぼ無しと謳える企業は少ないです。どんな仕事でも急な依頼やミス、トラブルが発生した場合は残業を余儀なくされますが、人間が仕事をしている以上はミスせず絶対に定時に帰れるとは言い切れないからです。

なので基本的には求人サイトを見て、残業が少ないことを謳っている企業を探したり、口コミサイトなどで残業の実体を調べてから応募するようにしましょう。

その一方で契約社員や派遣社員の仕事であれば、限りなく残業0に近い働き方ができるケースがあります。例えば自分が定時間際にミスしても社員が「このミスはフォローしておくので帰って大丈夫ですよ」というパターンです。

どうしても残業したくないなら正社員ではなく、契約社員や派遣社員として働くのは非常に有効です。給与は正社員より低くなりますが、定時に帰って副業で稼ぐなどの選択肢を取れます。

残業してもいいと思える仕事を

前述したように「高校球児が部活から帰った後も家の前で素振りをする」かのように、熱中できる仕事を見つけられたら残業も苦ではないはずです。

残業が多すぎて体調に異変をきたしたり、残業代が出ずに搾取されるという場合はダメですが、自分にはやりたいことがあり、目標がありその達成のためには残業が必要と判断すれば、頑張れるというケースです。

もちろん残業前提で仕事を選ぶ必要はなく、残業せずにやりたいことも目標も達成できるに越したことはありませんが、残業も厭わないという仕事に出会えるのは難しいことではありますが理想的です。

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