Interview

Interview

  1. HOME
  2. インタビュー
  3. 主体的に生きる人を増やすために

丹羽 幸美 さん

主体的に生きる人を増やすために

現在、中小企業の社長やプレイングマネージャーや若者のコーチをしている丹羽さん。テーマは“主体的に生きる人を増やす”。そこに至るには、彼女自身が中小企業を経営してきたことと、子育てで大いに悩んだ経験があった。自分自身が崩れないでなんとかここまで来られたのは、コーチングを学び、自己基盤を整え、さらにストレングスフィンダーで自分自身を理解してハンドリングできるようになったことが大きいという。その体験に風水を取り込んだコーチングサポートが、いま静かに様々な人の人生を開花させている。
コーチやストレングスコーチの資格をとるまでの経緯をおしえてください。
もともとは、自分自身が経営者をしながら子育てで悩んでいたので、経営の第一線から退いた後、2009年にコーチをつけたことが始まりです。その時のコーチに「コーチングを学んでみたら?」と勧められ、2010年からコーチ・エィのCTPを学び始めました。その後、ファンデーション(自己基盤)を整えたくて、どうせならその第一人者の近藤真樹さんからと思って探していたところ、神奈川チャプターが主催の近藤真樹さんのファンデーション講座をみつけ、名古屋から神奈川県まで隔月で1年通いました。2013年ごろからはそこでアシスタントもするようになり、その時のご縁でオマハでのギャラップの講座にも誘われて、2014年にストレングスコーチの資格も取りました。
私は、2006年に亡くなった父の後を継いで、3年ほど従業員20名くらいの建材の会社の経営をしていました。この業界は男社会なんですよね。女なんかにこの仕事ができるわけがないとパワハラ、セクハラは当たり前。父からの遺言があったので3年間は「何とかやってやる」と負けん気根性と父の生前の人徳のおかげで乗り切りました。このときはじめて父の偉大さを知り、心から感謝と尊敬の気持ちがわきました。ただ、ある時、その筋の人から脅されることがあり、子供に何かあったらと思ったら、途端に母親になってしまったんです。それで、この仕事はもうできないなと思いました。M&Aのお話や社外への売却の話もありましたが、今いる人たちの幸せと父の思いを考えた末、社内で継いでくれる方に譲ることにして退きました。
子育てで悩んだということですが……
子育てで悩んでいたというのは、今思うと、私自身がかなりの教育ママで、子どもを思い通りにしたいというのが強かったからなんだと思います。私の友達の子供は、ほとんどが中学受験をさせていて、名古屋では数少ない有名校に進学させていたんですね。それで、うちの子も中学受験をするのが当たり前のように考えて、小さな頃から塾へ通わせたりしていました。そんな中、子どもがテストで80点を取ってきたとします。そうすると「その点数の人は何人いたの?」と聞くんです。それが複数いたとしたら「だったら100点取れたよね?」と言っちゃうわけです。で、「じゃあ、どうするの?」と聞いて、子どもに「もっと勉強します」と言わせるんですね。自分の上位資質の中の、よりよくを目指してしまう「最上志向」と目標を決めたらまっしぐらにそれを達成しようとする「目標志向」、そして1番になりたいという「競争性」などを思い切り弱み使いしてしまっていたのだと思います。
それで中学受験をさせたのですが、結局、長女は第一志望に行けず、いわゆる滑り止めの学校に行くことになりました。「それが決まった時のママの顔が、すごく落胆していたのを覚えている」と長女は言っています。そして、その後、その中学には中1の2学期から以降、通えなくなったのです。不登校です。娘は家では荒れていて、壁などあちこちがボコボコになりました。
 この時期は辛かったですね。仕事から家に戻る時も、一度、喫茶店に寄って一呼吸置いてからでないと帰れませんでした。それまでは、「できない子は人間じゃない」くらいに思ってたんです。自分の子がそうなってみて、自分が思っていたのとは違う世界があるんだと初めて知りました。そして、自分は何もできない無力な人間だと感じました。その時、私にできることは“逃げない”ことだけでした。
当時、娘からは「ママはコーチとして人に色々言ってるけど、自分の子どももちゃんと育てられないのに、よくやってるよね」と言われました。ショックでしたが、その通りだなと思って「ママ、コーチやめるわ」と言ったことがあります。すると娘は「ママは仕事しかできないんだから、やめちゃだめでしょ」と言ったのです。娘なりの思いやりだとも思いますが……。なんとか自分が潰れずにこられたのは、コーチングを学んでファンデーションを整える練習をして、自分を客観視できるようになっていたからだと思います。この体験のおかげで視野が広がったと思っています。子どもは親の鏡だと言われますが、まずは自分がちゃんと自立して生きていくことが大切ですね。
その後、長女は通信制の高校に行き、今は、大学生となり好きなことを楽しんでいます。大学を受ける前に長女にもストレングスファインダー®をやってもらったんですが、彼女の目標志向や最上志向は33位、34位と本当にボトムで、私とは真逆でした。それがわかった時、それまで本当に申し訳ないことをしたなと改めて思いました。
ストレングスファインダーを学んで丹羽さんの中でどんな変化があったのですか?
自分自身が安定しました。自分で自分の資質がわかり自分を分解できるようになり、今自分が何を使っているかが見えてくることで「だから今こういう行動をとっているんだ」「だから今言えないんだ」などとわかるようになりました。それだけで落ち着けるし、自分と折り合いがつく感じがするんですね。
特に私の場合は、上位に相反する資質が複数入っているので、自分でも「どっちやねん!?」とイライラすることが多いのです。たとえば、「調和性vs自我」。「調和性」がトップなので、常に場を読むことをしています。新しい場では無意識に「この場って?」「誰がリーダー?」と考え、どのポジションが心地いいのかを考えています。でも一方で本当は「自我」は自分を出したくてチャンスを狙っていつもスタンバイしているんです。そんな自分を、以前は「自分を出せなくて辛い」と思っていたのですが、資質が理解できてからは「調和を一番に大事にしている自分」と思えるようになりました。そして、自分を出せるとなったら「自我」を爆発させています(笑)。
目標が立つと、自然とそこに向かってしまうことも、「目標志向」ゆえなんだとわかったことで楽になりました。周りもそれを知っていて、「しょうがないな、また始まった」と思ってくれます。たとえば、先日も突然、壱岐に行きたいと思ったので、付き合ってくれそうな友達に連絡したのですが、その人が案の定すぐに話に乗ってくれたので、話している最中に飛行機とホテルを予約してしまいました(笑)。そして2週間後には壱岐にいました。
フルマラソンを走っていた時も、30キロ地点でとても疲れていたとき、今回が初マラソンの仲間が2キロほど先にいるのを見つけその瞬間「その人にだけは負けたくない」と思って、そこまで行こうと目標が立ったんです。その途端に身体中が熱くなり足が軽くなるのが分かったんです。そして取りつづけてきた給水も取らずにその人に追いついてしまいました。そういう自分をなぜそうなのか理解できて自覚できるだけで、落ち着きますね。
現在、どんなコーチングをされているのですか?
今は中小企業の経営者だとか、飲食店の経営者などのクライアントさんが多いですね。自分も経営者をしていたのでわかるのですが、経営者はとても孤独です。そうした経営者を支えたいと思っています。コーチングをする時には、はじめにストレングスファインダー®の結果を出していただくのですが、資質を介してお話しすると、ご自身を客観視できるのでわかりやすいと言われます。また、孤独な経営者にとって役に立つことを取り入れたいと思って、3年ほど前から「風水」を学び始めました。それもセッションに取り入れています。風水を完璧に取り入れようとすると、3億円くらいかかると言われるので、私の場合はノートの中で仮想の部屋を作り、そこで気を流すことで気を操る、ということをしています。
使うのはモレスキンというノートの無地のものです。このノートは昔からアインシュタインとかアガサ・クリスティとか、手塚治虫なども愛用したと言われていますが、様々なこだわりで出来ています。サイズは黄金比で作られていて、紙の色も微妙な黄色がかった白で癒し効果があるそうです。そのノートを家と考えて1ページ目を玄関、最後のページを寝室、その間の1ページにリビング・ダイニングを作ります。それぞれのページに、様々なアイテムを貼っていきます。たとえば、玄関のページには、財が欲しければ丸い形に、美が欲しければ三角に切り抜いたものを貼ります。寝室のページにはなだらかな山を描いて黄緑色に塗ります。真ん中のリビング・ダイニングのページはビタミンカラーのものを貼ります。その他のページは好きなものをどんどん貼ったり書いたりするだけです。嫌だったことを吐き出してもOKです。私の場合、セッションのメモなどもこのノートにメモしてもらっています。
先日、ある飲食店の方とのセッションで興味を持たれたので、このノートを使ってみたのですが、そのクライアントさんはとても面白がってどんどんご自分でもやってくださったんですね。3つの願い事を書いてみるということをしたのですが、書いた次の日に1つ叶い、その他も次々に叶ったそうです。テレビの取材が入ったり、売上も急上昇したとかで、とても喜んでくださっていました。私自身もこうした経験があって、始めた当初は書いたことが怖いくらいに叶いました。最近は、佐藤一斎という人の『言志四録』という本の言葉を筆字で書き写して心の状態を毎朝整えています。
これからやっていきたいことはどんなことですか?
一言で言うと、「主体的に生きる人を応援する」ということでしょうか。現在、大学の非常勤講師として大学生にリーダーシップ論を教えているのですが、自分自身のリーダーになるということを伝えています。自分を知って自分を生かすということです。そのときにファンデーションのスキルやストレングスファインダー®を使っています。ストレングスファインダー®は、自分を知るのに最高の道具です。そして自分を知ると他人を理解できるようになる。そうするとファンデーションも安定してくると思います。リーダーには、この要素がすごく大事であり、周りにすごく影響を与えている事を自覚することが重要です。会社は、リーダーで決まります。今の自分の会社や部署、家庭を俯瞰してみると自分の言動がそこに現れています。まず、自分を知ることから始めてほしい。自分のことは自分が一番分かっているという人ほど、自分のことを理解していないものです。
こうした活動を経営者はもちろん一般の方にもパーソナルコーチングだったり研修、講座という形で伝えていきたいと思います。一般の方も、言って見れば自分自身の経営者です。そして、個々の己の花を咲かせていってほしいと思っています。それが、自分を咲かせることでもあり、共創することにもつながることだから。
去年、“己(こ)の花カード”というものも作りました。これにはファンデーションとストレングスに関する質問が書いてあるんです。「今、あなたの状態はどうですか?」とか「10年後にどうなっていることが理想ですか?」といったものです。サイズは黄金比で、 “六芒星” と “陰陽” を組み合わせたものをデザインしています。そして、枚数はフィボナッチ数の34枚と自然の法則を入れて作りました。私は『7つの習慣』も学んでいるのですが、そこで得たこともお伝えしながら、主体的に生きる人たちを育て、増やしたいのです。これまでの自分自身の反省と学びを、主体的に生きる人を応援することで社名でもある“HBL=Happy and Beautiful Life”を実践する人を増やしていきたいと思っています。これが、世界平和につながっていると心底思っているのです。
丹羽幸美
Author Details
丹羽幸美
プロフィールの詳細は追加予定です。