Interview

Interview

  1. HOME
  2. インタビュー
  3. 社内でたった一人の公認「社内ストレングスファインダーコーチ」

石﨑 勝俊 さん

社内でたった一人の公認「社内ストレングスファインダーコーチ」

石﨑さんは、数千人規模のIT企業のエンジニア。なのではあるが、今は社内でたった一人の公認「社内ストレングスファインダーのコーチ」として、コーチングをメイン業務にしている。このユニークなポジションを勝ち取るまでには、石﨑さんの大きな転機となる体験と、熱い思いがあったという。そんな石崎さんは、ストレングスファインダーで自らの可能性に開眼し、“着想”を解き放ったところ、そのアイディアが今や多くのストレングスコーチや企業から引っ張りだこになっている。そのユニークかつ優れた問題解決力を持つアイディアを、困っている人と場とに提供し、一人でも多くの元気な“個性的な人”“変態”を増やすことがこれからの目標だという。
石﨑さんは大きなIT企業の社内コーチをされていますが、どういう経緯でそうなったのですか?
私は2004年に入社し、以来ずっと決済系のシステムの開発や運用をするエンジニアでした。ただ、もともと困っている人をなんとかしたいという傾向が強く、そのためには会話が大事だと思っていて、2009年くらいにグループのまとめ役をするようになった頃から、自然と今で言う「1 on 1」をしていました。自分自身は人とのコミュニケーションもあまり得意ではないと感じていたのですが、「この人、困ってるな」と思うと、なぜかその人と会話をしてきたんですね。そのうち「石﨑が関わると改善するよね」と評価されるようになり、ちょっと伸び悩んでいる人がいたりすると、私が担当としてアサインされるようになりました。
その後、2012年くらいから社内に正式に「1 on 1」が導入されて、改めて私の行動は間違っていなかったと確信を持ちました。そしてそのスキルをさらに上げたいと思ったので、2013年から1on1の1つの要素であるコーチングを学び、その後ストレングスコーチの資格も取り、とにかく人に特化して仕事をしたいと思うようになりました。上司にそれを言い続けた結果、2017年から「社内のストレングスコーチ」というのが私の正式な業務となりました。
エンジニアの中にはメンタルダウンする人が多いという話を聞きますが、どうしてそうなのでしょう?
エンジニアの多くが、“エンジニア”はこうしなければならないという人格があるように思い込んでいる気がします。そこに合わせようとしても、個性がはみ出る。いや、はみ出ていると思い込む。それで苦しんでしまう人が、メンタルダウンしていく気がしますね。
たとえば、メンタルダウンして長期休んだ後に復帰してきた人と関わったことがあります。その人は、当初、会社に来たり来なかったりしていたのですが、私が関わったあとはコンスタントに来るようになりました。やったことといえば、毎日一緒にご飯を食べに行って、会話をすることだけ。そして飲み会があったら連れていく。そんなことを1年半くらい続けました。そうすると、私もその人の良さがわかってくるし、はみ出ていると思い込んでる部分まで含めて「ここを活かすといいよね」とフィードバックするうちに、その人自身もそれに自分で気づくようになりました。その後、その人は評価されて、今はとても活躍しています。
ストレングスファインダーを知って何が変わりましたか?
一言で言うと、楽になりましたね。2015年くらいに、管理職として私自身が煮詰まってしまった時期がありました。自分自身があまりよく知らない分野の仕事で、管理職としてチームを率いなくてはならなかったのです。私の場合、「共感性」がチームのメンバーの「何か困っているらしい」を無意識に察知してしまうと、「回復志向」がそれをなんとか助けたい、元に戻してあげたいと思ってしまう、そして管理職として「責任感」がそれを「せねばならない」と思い込んでしまうんですね。でも、その部署の業務は自分にはよくわからない分野だったため、助けたくても自分のスキルが追いつかなかった。それで、どんどん一人で抱えていきました。そして私自身がメンタルダウン寸前になってしまったのです。そのときに自分自身が社内でコーチングを受けたのですが、そのときコーチをしてくれた人がストレングスファインダーを学んでいたのです。そこから、ストラボを知って、基礎コースに行き、そこで初めて自分の資質を理解しました。そしてストラボの森川さんから「よく生きてたね。しんどかったでしょ」と言われたんです。その言葉で気持ちが一気に楽になり、救われました。それで、次の月曜日に会社に行ったときに、チームのメンバーを集めて「僕は全てを解決することはできない」と言って謝ったのです。そうしたら、メンバーが「わかってましたよ、そんなこと」と言ったのです。その言葉を聞いて、またさらに気持ちが楽になりました。実は、メンバーの気持ちをわかって、困っているから助けたいと思っていたこと自体が、本当は8割は正しくなかったんですね。自分の視野が狭くなって、本当は助ける必要のなかったことまで助けないといけないと、勝手に思っていただけだったんです。今だとそれがよくわかります。「その解決は、相手のためですか? 自分のためですか?」「一人よがりになっていませんか?」と当時の自分に問いかけたいです。そこからさらに深くストレングスファインダーを知って変わったことは、自分自身にツッコミが入れられるようになったことです。言い方をかえると面白おかしく受け入れられるようになった。自分がやってしまう行動や考え方が、結果的に強みであれ弱みであれ面白いのです。「なんでそれやっちゃう」とか「俺、もしかして天才」みたいな(笑)。今までは弱みはネガティブにとらえて「どうせ俺なんてこんなもん、生きる価値なし」とか強みは「そんなの当然だし、ほめられてもうれしくない」とか受け入れられない自分からすると、大きな変化が起きていると思います。
ストレングスファインダーのコーチになったのはなぜですか?
ストレングスファインダーに自分が救われて、「このツールはすごい」と思ったので、その後、横浜でやっているストレグスファインダーのサロン(横浜ストレングス倶楽部)に参加したり、ストラボの応用コースに参加したりして、自分でストレングスファインダーについて深めていきました。一方、会社ではストレングスファインダーを受けている人がどんどん増えっていって流行になったのですが「ポジティブなのに明るくないな、もっと笑えよ」といった、いわゆるレッテル貼りが見受けられたり、資質の誤った解釈がされていたり、ということが散見されるようになっていました。また、あるとき、自分よりもっと早くから学んでいたはずの人たちと話していて、「あれ?自分の方がストレングスに詳しくなっている」と気づいたのです。それで、この誤って使われている状態を「なんとかしなきゃ」と私の回復志向に火がつき、ギャラップのコースに行くことにしたのです。そしてその後は、社内で昼休みとか時間外に、社員の相談に乗ったり、ストレングスカフェを開いたり、「リスクマネジメント×ストレングスファインダー」とか「コピーライター×ストレングスファインダー」などのイベントを行ったり、資質毎の勉強会を行ったり、いろんなことをしながらストレングスファインダーを正しく理解して活かしてもらいたい、と活動を始めました。
現在は毎日3~5名のストレングスコーチングを実施しているので、毎月コーチングは60セッション以上、イベントは平均で月に3回、社内で実施しつづけています。活動を始めてから、これまで1000名近くの方と関わってきて徐々に理解も変わってきていると感じています。
石崎さんの「着想」は、みんなから引っ張りだこですが、昔からアイディアマンだったのですか?
思い返せば、子供の頃にも今と似たようなことをやっていましたね。8歳の頃、友達と3人で企画して、当時住んでいた団地でお祭りをやりました。団地中にお祭りの無料参加券を配ったり、ポスターを作って貼ったりしました。当日はスーパーボールすくいなどをやったりして。集客は大成功だったのですが、逆に人がいっぱい来すぎて、子供3人じゃ回せなくなってしまいました(笑)。イベントを思いついてやるというのは、そこに原点があると思います。子供の頃からと言えば、「共感性」と「回復志向」も昔からあったと思います。小学生の頃、授業中に友たちがペンや消しゴムを落とすと、それに気づいて拾ってあげるというのが、ダントツに速かったですね。
自分にとってのターニングポイントは、大学時代に、ある水族館のプロジェクトに関わったことでした。私のいた研究室ではデジタルミュージアムの研究をしており、あるとき「来場者を増やしたい」という水族館の相談を受けたのです。「では、バーチャル水族館のサイトを作りましょう」と提案したら、その案が通って、実際に作りました。当時は、バーチャルの水族館を作るには、それなりのスキルとお金をかけないと構築ができないことに対する課題を解決したい思いが強く、知識のない水族館の館長さんでもバーチャル水族館の中身を変えることができるように設計して構築しました。そして、バーチャルでしか体験できないような仕掛け、例えば館内の電灯を水槽の電灯だけにすることができたり、現実では体験できないことをちょっとした遊び心として取り入れました。サイトがオープンしてからは、マスコミにも取り上げられて、来客数は増え、ても喜んでいただけました。それをやったことで「こうやって楽しめばいいんだ」と自分でも気づいたんです。そうしたら、「自分のそうした強みを活かすには東京に出よう」と思うようになり、現在に至ります。
これからどんな活動をしていきたいですか?
ストレングスについてもっと知ってもらえるような、ワークショップやイベントをやっていきたいと思っています。一般向けのものも、企業内で行うものも、どちらも考えています。今、私は企業内でコーチをしていますが、そこで培った経験を、同じように他の企業内でのコーチ活動に困っている人たちに還元できたらいいな、と思います。そのためにも、私自身がもっと自己開示をして、自分に降りてくるインスピレーションと直観を多くの人に伝えたいですね。私は「着想」と「回復志向」でいろんなアイディアを思いつくのですが、私が考えたワークをみんなに活用してもらえると嬉しいです。
私は、ワークショップとは、“遊ぶ”“楽しむ”というキーワードで非日常的なアクティビティをしながら、ふと自分の深層に落とし込むことによって気づきを得ていくものだと思います。テーマはあるけれど、参加者が持ち帰るものは参加者自身が遊びながら良い意味で勝手に気づいていったものを共有することで「偶然創り出されるアート作品」だと思うのです。私がワークショップを組み立てる時、ゴールに見えるのは参加者の喜んでいる笑顔です。そこから逆算して、テーマの言葉から得たインスピレーションと直観を結びつけて、ワークショップを作っていきます。安斎勇樹さん(東京大学大学院情報学環の特任助教)が代表を務めている株式会社ミミクリデザインのワークショップデザインの講座を受講しているのですが、実際にワークショップをデザインして安斎さんにレビューしてもらうことがありました。そこで安斎さんから「今までいろんなアイディアを見てきたけど、こんなアイディアを初めて見た」「私も試してみたい」と評価されて自信になりました。そうしたアイディアを形にしていくことが、まさに自分の強みである「着想」の力なのだろうと思います。
ストレングスファインダーを多くの人にどう使って欲しいですか?
私自身、ストレングスファインダーに救われました。ストレングスファインダーは、いわば「命の恩人」です。私がそうであったように、ストレングスファインダーを使うと、その人が自分の強みに気づいて元気になることが可能です。だから、ストレングスファインダーを活用して、元気になれる人を増やしたいですね。私はその瞬間に立ちあうとき、心身の底から湧き上がるゾクゾクっとするしびれるような喜びを感じることができます、それを一度味わってからはもうやめられません(笑)。そしてその人がまた誰かを元気にしてくれてみんなで助け合い輝かせあう世界ができたらいいな、と思います。
誰もが皆、その人独自の“とんがり”を持っています。言ってみれば誰もが“変態”です。ストレングスファインダーは「変態メーカー」あるいは「“個性的”メーカー」だと思っています。先日も、私のワークショップのアンケートに、こんな感想がありました。「ストレングスファインダーの結果も平凡な普通の人間だと思っていましたが、石﨑さんのコーチングセッションを受けて自分もちゃんとした“変態”だと思えました」こういう感想をもらえると最高に嬉しいですね。
石﨑勝俊
インタビューを受けた方
石﨑勝俊
プロフィールの詳細は追加予定です。