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大川 郁子 さん

自己基盤×ストレングスファインダーでミッションを見つけ、ぶれない自分をつくる

これまで4000時間以上のコーチングの経験を持ち、国際コーチ連盟マスターコーチの資格も持つ大川さんだが、実はこの仕事も初めから目指して就いた仕事ではなかったという。そこにご自分のミッションを見出した経験から、現在、大川さんはクライアントのミッションを見つけることにエネルギーを注ぐ。ストレングスファインダーはそんなコーチングのスパイスだという。
大川さんのコーチングや研修の特徴をあげるとしたらどんなものでしょうか?
クライアントの「自己基盤」を扱うことですね。「自己基盤」というのは、ひらたく言うとその人の「あり方」みたいなものでしょうか。マネジメントに関するセッションでも、子育てに関するセッションでも、その人がどうありたいのかをいつも聞いていきます。そうすると、その人のあり方が整っていって、ぶれなくなりますね。そこからその人のミッションも見えてきます。
自己基盤を扱うとは、具体的にどんなことをされているのですか?
まず、本当のことを話してもらうようにしています。人ってなかなか本当のことを話さないんです。とくに、抑え込んでいるのが感情なので、それを言葉にしてもらいます。また、私が感じたことを率直にフィードバックするようにしています。たとえば、「『恥をかきたくない』という気持ちがあるように感じられるんですが、いかがですか」というふうにお伝えします。それから、集合セミナーやワークショップにできるだけ参加することをお勧めしています。1:1のセッションでいくら話しても、フィードバックなどをしても、どうしてもクライアントさんには見えてこない自分自身というものがあると思うんです。コーチである私自身も自分のアンテナで捉えられるものしか捉えられないですから。複数の人と話してフィードバックをもらうことで、気づけることはとても多いと思っています。
大川さんのコーチングではストレングスファインダーをどんなふうに使っているのですか?
ストレングスファインダーは、その人が自分について語り出すきっかけとして使っています。ストレングスファインダーでわかるその人の特質には、生産的に使える時とその逆の時の両面がありますよね。ちょうどオセロの駒のように。いつもは白が出ていても、熱が出たり夫婦喧嘩をしたりすると、すぐにひっくり返って黒くなるとか(笑)。そこで、「どんな時に白が出て、どんな時に黒が出るんですか?」ということを訊いていくことで、その人のことを話してもらいます。別に、黒が出るのがいけないわけじゃないと思うのですが、ご本人が良しとしないのなら「どうやって白にするか」を一緒に考えていきます。大事なことは、黒が出てもまた白に返せることだと思うんですね。そのために欠かせないのが、自己基盤力を上げることだと思っています。
 自己基盤力とは、言って見れば自分を扱う力です。今、黒が出ていたとして、それに気づき、それがなぜか、わかることだと思うんです。自分が不安だからだ、ではなんで自分は不安なのか、その原因や理由は何なのか……そういったことを自分で見ていけるようになると、白に返しやすくなります。
大川さんご自身は、ストレングスファインダーと出会って何が変わりましたか?
私がストレングスファインダーと出会っていちばん変わったと思うことは、「人と比べても意味がないな」と思えたことですね。
 初めてストレングスファインダーを受けたのは、14-15年前ですが、そのときは結果を見ても「で?」という感じで、あまりよく理解できませんでした。でもそのとき、自分の上位資質の出てくる確率を自分で電卓を叩いて計算してみたら、Top5の並び順だけでも同じになる人は3300万人に一人とわかりました。つまり、日本中歩いても自分と同じ特徴を持つ人には出会えるかどうかわからないんだ、と思ったんです。そのとき、「人と自分を比べるって意味がないんだ、だって同じようなタイプの人っていないんだもん♪」と気づいたんです。
 それまでは、人と比べてしか自分の立ち位置を見られないところがあって、苦しかったんです。今でもまだありますけど、その気づきがこれまででいちばん大きなターニングポイントでしたね。
それまではどんなふうに苦しかったのでしょうか?
たとえば、この仕事を始める前は、健康食品販売の仕事を少ししていたんです。そこで、私が認めてほしかった人に「おまえは使えない」と言われ、その後3ヶ月うつ状態となり、文字通り泣いて暮らしたんですよ。私の上位資質の「最上志向」と「責任感」が打ち砕かれたからだと思うんですが。
その前、もともとは小学校の教員だったんです。この時も、その上位資質のために苦労しましたね。子どもが好きというより教材研究をするのが好きで、45分の授業の中でどうやってその教材を教えるかと考えることが楽しかったんです。ところが、ある学校で小2のクラスを担任した時は、3分の1が髪を染めていたり、座っていることができない子が多くて、そもそも授業にならなかったんです。そうしたら、5月に2週間くらい高熱を出して寝込みました。そのまま辞めようかとも考えたんですが、普段から「教員は授業やってなんぼでしょ」くらいのことを言っていたのに、授業ができないから辞めるなんて言えないと思って、文字通り這うようにして学校に行きました。
 そのとき、周りの同僚などに本当に助けてもらったんです。それまでは何でも一人で背負っていかなきゃと思っていたのですが、周囲に「助けて」と言えたこと、それから「この子たちに合わせることが大事なんだ。”私のやり方”が大事なんじゃない」と思えたこと、この2つが大きかったですね。そうやって自分の中の「ねば」とか「当たり前」を手放せていったら、子どもたちが席に座るようになって、2学期からは授業が授業らしくなりました。ただ、その子たちを受け持っている間の1年間は、耳鳴りが止まりませんでしたけれど(笑)。
なぜ、コーチになったのですか?
そんな困難も乗り越え15年ほども続けてきた教員生活でしたが、ある時ふとその仕事を60歳までやりたいと思っていないことに気づいたんです。そうしたら、子どもの前に立つことが急に申し訳なく思えてきて、退職を決断しました。周囲からは、あと数年続ければ年金がつくのに、と言われたんですが、そんなことしてたら、私の第2の人生は成功させられないと思ったんです。
 その後、健康食品の販売をしたけれどうまくいかず泣いて暮らしている時に、マイコーチがスタートしたコーチングのNPOの手伝いを頼まれたんです。「いいですよ」と言って引き受けてやっているうちに講師をやることにもなり、それがいつの間にか仕事と言えるくらいの量になっていったのです。でも、成り行きでやっていたことだし、大人を相手に研修をやるトレーニングなども受けてきたわけじゃないし、自分でもこれでいいのかな?と思いながらやっていたんですよ。
今の仕事を自分の仕事だと意識したのはいつからですか?
あるとき、私が担当した教員のためのコーチング研修で、一人の男性参加者と出会ったときでしょうか。その方は研修中はずっと腕組みしたり、不愉快そうに見えました。終わってアンケートを見ると裏面までびっしり書いてありました。きっと文句なんだろうなと思って読んでみたところ、「自分の求めている答えを得るには、教えてもらうのを待っているんじゃなくて、自分で考えないといけなかったんだと気づいた。教員にもなりたくてなったんだったということを思い出した。自分の仕事に誇りを取り戻した。ありがとうございました」といった感謝が書いてあったんです。それを読んだとき、もうびっくりしました。あの研修でこんなことまで考える人がいるんだと思うと嬉しくて。そのとき初めて「こういう瞬間があるんだったらやり続けたい。そのために自分をブラッシュアップしていきたい」と思うようになったんですね。だから、どんなきっかけで就いた仕事であっても、きっとそこにはその人のやりがいなどが潜んでいるんだと思うんです。それを研修やコーチングなどで見つけるお手伝いをできたらいいな、と思うようになったんです。自分がそうだったから「きっとあるでしょ、あなたにも」っていう押し付けですけどね(笑)。
資質とミッションとはどうつながっていくのでしょうか?
たとえば、ある医師の方の例でお話しすると、この方は「生命を守りたい」という強い思いをお持ちでした。でも、生命を守るにしてもいろんなやり方があります。それをどういうふうに実現するのかをコーチングしていくと、この方の場合は、様々なリスクを丁寧に取り払うことで生命を守りたいと思っていることがわかったのです。具体的には病気を未然に防ぐこと、そのために地域医療に力を注ぐことに自分のミッションを見出したんです。これって、実はこの方の上位資質の「慎重さ」そのもののやり方なんですね。 
 人は結局、その人が一番いいやり方というのを持っているんです。それは、その人の資質と深く関係していると思います。上位資質は、人生のどこかで芽生え、そして育っていった大きな木のようなものですから、根こそぎ引っこ抜こうと思っても抜けません。それよりは、どうやってその木をよしよしと育てながら、素敵な花を咲かせ実を結ばせるかと考えた方が結局早いし、成果も出るんだと思います。ストレングスファインダーを自分自身を語るきっかけに使って、そこからご自身のミッションや生きがいを見つけていってほしいと思います。
大川郁子
インタビューを受けた方
大川郁子
プロフィールの詳細は追加予定です。