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作道 文恵 さん

生み出す人を育て、人も組織も育てるための専門職 “マネジメンター”システムを作りたい

自分の中に湧き起こる疑問をずっと考え続け、自分なりの答えを考え出すと、あとは確かめるために行動する。そんな作道(つくりみち)さんの普遍のテーマは、子どもたちと、組織の人そして組織そのものが、どうやったらよく「育つ」かということ。ストレングスファインダーという強力なツールをプラスして、その探求を続ける作道さんにお話を伺った。
作道さんのお仕事は、子ども向けの教材を作ることですが、それはどういう思いからですか?
私はとても好奇心の強い子どもで、小さいころから「あれ何?」「これはなんで?」とよく尋ねていたのですが、ある時に一つの疑問が生まれたのです。「学校などでは、平和が大事とか、資源を大切にとか教えているのに、そうは思っていない人がいっぱいいて、いろんな問題が起きるのはなぜなんだろう?」と。それをずーっと考えていて、あるとき出した仮の結論が「勉強することが面白くないからじゃないかな」というものだったのです。成績そのものはよかったり悪かったりしましたが、私は知らないことを知っていくというのは本質的には面白いものだと思っていました。面白いからやる→やるから身につく、という循環になると思うんですが、どこかで面白くなくなって「やらないといけないこと」になってしまう。だからやらなくなり、勉強が嫌いになり、身につかなくなるんじゃないかと。
「だったら面白くて勉強が楽しくなる教材を作ればいいんじゃない?」と思って、教材を作るという仕事を選びました。そして、「面白く勉強できるってどういうこと?」を意識しながら、子どもたちが難しいことも吸収しやすくするためにはどうすればいいのかな、何をすればいいのかなという疑問への答えをずっと考えながら仕事をしてきました。
コーチングやストレングスファインダーを学んだきっかけは何ですか?
社会人になって5〜6年過ぎたころ、いろいろな人とかかわるサポート的な仕事をしていく中で「個々ではみんないい人なのに、組織になるとどうしてうまくいかなくなるんだろう?」という疑問が湧いてきたんです。「せっかくだから、自分のいる組織のみんなが、幸せでやりがいのある良い状態であってほしいのにな」という思いがあって。それを、やはりその後ずっと考えていて。そんな中で何かの研修でコーチングに出会い「その答えがここにありそうだ」と直感して、コーチングを学ぶことにしました。学ぶところは多々あり、仕事に生かせることもたくさんあったのですが、自分自身が管理職ではなかったこともあり、しばらく離れてしまっていたんです。
再度学ぶことになったきっかけは、社内のプロジェクトでした。「会社のためになると思うことを何でも提案していい」という有志のコンペ企画があって。私は人材育成に関する提案を提出したのですが、同じように社員を元気にすることに関心があったメンバーとチームを組んで提案を作ることになったんです。「どうしたら、本当に、社員がもっと生き生きと働いて成果を出せるようになるのか?」
メンバー間で激論を交わし、私たちが出した結論が「マネジメントのサポート職を作ろう」というものだったんです。「人を育てることが大事といっても、管理職自体も忙しいし、専門スキルがないからどうしていいかわからない。だったら、管理職をサポートする専門職を作り、一人ひとりの特性やキャリアも考えたうえで育成をサポートしていけるような、メンターシステムをつくったらいい」と考えたんです。私たちはその専門職に“マネジメンター”という名前をつけて提案をしました。入賞すれば、予算がついて実現に向けて動き出せることになっていたので、皆最後の最後まで必死でした。提案は、最終提案まで残ったものの、残念ながらコンペでの入賞はできませんでした。そのまま収束しかけたのですが、その時に、私はこの「マネジメンター」は実装できるんじゃないかな、と思ったんです。あきらめる必要はないんじゃないかと。企画は通らなかったから予算がつくわけじゃないけれど、準備して小さく結果を出して、「こういう結果が出せるからやらせてください」と言えばいいじゃない、そのために準備をしてみようと。ストレングスファインダーはそのためにも有意義だと考えて、その後に学び始めました。
学んでみたらとにかく面白くて。そのまま気が付いたらストレングスコーチになっていました。そして改めてコーチングも学び直す中で、ストレングスやコーチングをどう使ったら「人をもっともっと伸ばし、組織を成長させる」ことにつながるのか、逆にどうするとうまくいかなくなる結果になっていくのかということも少しずつ体験してきました。
ストレングスファインダーを使うようになって、何が変わりましたか?
その人の持つ「上位資質に栄養を与えることの大切さ」を、認識したことが大きかったと思います。資質に栄養を与えるというのは、「自分の上位資質が欲しいもの・状態」を自分で分かって、それを自分に与えることを意識的にやっていくことです。私の持つ「親密性」という資質は、本を読んだだけでは「面倒見がいい」「信頼関係が大事」ということを理解する程度だったのですが、「本当に信頼できる人としっかりした関係性が築かれていることや、共に過ごす穏やかな時間があること」が本当に大事で、これが足りなくなると内側から枯れていってしまうような状態になるんです。
これを知ったことで、「ちょこちょこ栄養補給する」ことを意識するようになりました。それまでは「迷惑をかけてはいけないな」が先に立っていて自分から人を誘ったりはしていなかったと思うんです。でも、その気持ちを大事にしていいんだ、と思えたことで、自分の扱い方がわかった気がしました。
ご自分の上位資質について、印象的なエピソードはありますか?
あるとき、一緒に「マネジメンター」を提案したチームメンバーが地方議員に立候補することになったんです。社会をよくするには地域に入って活動しないとだめだと思うようになったと言って。応援したいと街頭演説のヘルプに行ったのですが、聞こえてきた演説がなんだか「らしくない」。事実を淡々と伝えているだけになっているように感じたんです。私は率直に「あれではあなたの良さが伝わらないよ」とフィードバックしました。「情熱が全然伝わってこない」「私が知っている○○さんはそんなもんじゃないと思う」「もっと一瞬で知ってもらわないともったいないよ」と。その後、その元同僚は無事に当選したのですが、その時に「『街頭の発信が魂響いてないよっ!』と言われ、後半、自分の言いたいことを伝える形に変えられたのも大きかったんだと思う。本当に、大事な気づきをありがとう」と言ってくれました。
関わっている人の良さや本質がわかり、それがほかの人にちゃんと伝わらないと思う時、そのことをフィードバックせずに黙っているのはとてももったいなくて。人の強味をしっかり見抜くこと、それが活きていくようにフィードバックや意見を出していくこと、が私らしい選択かなと思っています。
ストレングスファインダーはどのように使っていくといいと思いますか?
人を知ろうとする入り口でしょうか。本当は、ストレングスファインダーを媒介しなくても、互いを知るという姿勢そのものが大切で、それが当たり前になるといいなと思っています。けれどなかなかそうもいかないことがあるという現実の中で、ストレングスファインダーは、人それぞれが持つ宝物に光を当て、強みというだけでなく「大事にすると幸せ」というものを教えてくれるツールだと思うのです。
私は、根本的に「人は種(タネ)のようなもので、ちゃんと自分の中に伸びる力を持っている」と思っています。これは私の根底を貫く価値観で、基本的に、種は土と水と太陽があれば伸びていくように、人も本来自然に伸びるはずだと思っています。伸びないとしたら、それは陰を作るものがあるとか、与えられるべき水が与えられていないだけなんじゃないかと。それが「成長促進」という資質に現れているのだと思います。
だから、その人の種に当たる上位の資質をさえぎらずに、そこに栄養を与えることがとても大事だと思います。種の特徴を知ると、それがとても自然に、楽になるんじゃないでしょうか。
これからやってみたいと思っていることはどんなことですか?
やはり、私の中にある2軸を中心にしたことになりますが、一つは、先ほど話した“マネジメンター”システムを実現すること、です。個々の人ではなく「組織」を人のように「育てる」ということはあまり意識されていないように思いますが、この「組織を育てる」ということを実現していきたいのです。
人には、「自分がプレーヤーとしてすぐに成果を出せる人」と、「成果を出す人を支える人・育てる人」がいると思うんです。組織の中では、前者はわかりやすく成果主義においては評価もされやすいですが、後者は何をしているのか側からは見えにくく評価もされにくい。でも、大事な仕事をしている人がたくさんいると思っています。誰かのために“いい仕事”をしようとする「志」もともに育てていきたい。これを実現するためのルートを探してきました。仮説が見えてきましたし、ここ数年の働き方改革の波の中で、勉強を始めたときよりずっとその必要性も高くなってきていると感じていますので、形にしていきたいと思います。
もう一つは、ストレングスの使い方を子ども向けにアレンジし、「その子に合った勉強方法」をストレングスを通して実現したいのです。コーチングを学んだときに「ひとにはその人に合った吸収しやすい学習スタイルがある」ということを知ってから、これが「できるだけストレスなく学ぶ」ための一つの答えなんじゃないかと思ってきました。もう正解が一つの世界ではとっくの昔になくなっているのに、「その人に合った」勉強の方法があるかというとこれは昔からそれほど変わっていません。自分に合った勉強の仕方で学ぶということが、その人にとって楽しいことになり、楽しく学んで結果が出ることが自己肯定感につながってほしい。そのためにストレングスを使えるようにしてみたいと思っています。
作道文恵
インタビューを受けた方
作道文恵
プロフィールの詳細は追加予定です。