Interview

Interview

  1. HOME
  2. インタビュー
  3. 多くの実務経験と学びを生かして エグゼクティブのアカンパニスト(伴走者)を務める

田中 あゆみ さん

多くの実務経験と学びを生かして エグゼクティブのアカンパニスト(伴走者)を務める

フラワービジネスを展開する社員450名以上の会社の副社長、コーチ、通訳者、母など、複数のキャリアと役割をもつだけでなく、MBA、産業カウンセラー、アンガーマネジメントファシリテーターなど、多数の資格も保有する田中さん。現在はGallupのストレングスコーチ養成コースのコースリーダーも務める。新しい出会いがあるたびに、「面白い」と思って新しいドアを開けていったという。そこにはどんなストーリーが出来上がり、それはどう続くのか。お話を伺った。
多くのキャリアや資格をお持ちですが、どんな経緯を経て今に至るのでしょうか?
もともと実家が花屋でした。時流にも乗り、両親が頑張って事業を大きくしていくのを見てきましたが、事業は弟が継ぐことになっていましたし、私自身は初めは全く別の道を歩き始めました。大学を出て最初に就いた仕事は英語と日本語の通訳者でした。15歳の時にアメリカ人駐在員の家族との出逢いがあり、東京のガイド役をする代わりに英語を教えてくれることになりました。その家族から「あなたには語学の才能がある。強みを伸ばしなさい」とたくさんの承認をもらい、今の私の「才能、ストレングス」について考える原体験となりました。そのころから通訳者を目指していたのです。そして、大学の時には念願かなって途中からアメリカに留学し、そこからフランスにも留学しました。日本に帰国すると早速、通訳の会社でトレーニングも受けつつ、夢だった通訳の仕事を始めました。会議通訳や企業内通訳などを経験し、あっという間に6年が過ぎたのですが、ある時、一人のアメリカ人の勧めでフラワーアレンジメントを学びに、アメリカのスクールに行ってみることにしたのです。通訳者は季節労働的な部分もあり、空く時期もあったのでその時間で行ったのですが、通訳者としての仕事も一段落という感じもあったんですね。
そこの先生が、日本にアメリカンスタイルのフラワーアレンジメントを普及された方で、「これからは、日本でお花を生かす仕事のチャンスはたくさんある」と言われたことから、そちらの方にアンテナが立ちました。その頃、日本ではちょうどレストランでの結婚式などが流行り始め、ウェディングプランナーという仕事が生まれていました。そこで帰国後は早速ウェディングプランナー養成講座に行くことにしました。そうしたら、お二人のイメージを形にしていくこと、お二人らしさを表現することが面白くて。その講座が終わるとすぐに、ウェディングプランナーの仕事を始めてしまいました。お花は「実家から調達すればいい」と思い、実家の会社の中に事務所を借りました。そのうち、父が、外資系のホテルなどに営業を始めると言い出し、私は通訳として同行することになりました。実家の会社に入ることになったのは、そこからですね。
そして、マネージャーから常務、副社長となっていったのですが、はじめは、マネジメントなどわからず、武器を持っていない素の状態で戦っている感じでした。良かれと思ってすることも社員にプレッシャーを与え、うまく指導もできないことが続きました。部下との関係づくりに自信を失い、コーチングを学ぶきっかけになりました。その後、ストレングスコーチの資格のコースにも行きましたし、その時に併行してMBAを取りました。産業カウンセラー、アンガーマネジメントファシリテーターの資格も取り、今はNLPを学んでいます。
さまざまな資格は、その時々で必要だと思われて取りに行かれたのですか?
必要もあったとは思いますが、どちらかというと確認のために行っているように思います。コーチングも「傾聴」とか「承認」とか、学ぶと「ああ、なるほど」と思うのですが、でも一方で自然にやっていることも多いと気づきました。マネジメントも、私は父のやり方しか知らないので、それを人に伝えるとしたらどうしたらいいのか、自分がやっていることは何なのか、それをなんらかのセオリーに落としたくてMBAを取りに行ったんだと思います。
「活発性」があって物事の蓋を開けていくのは得意で、始めることには何も抵抗がありません。「最上志向」で磨き上げていくのも好きです。でも「やり遂げるためにやる」ということはしませんし、上手くいかないと思ったら深追いもしないのです。ただ、そうやって開けたものをセオリーに落として落ち着かせてクローズしたい、と思うんですね。幸い、学んできたことをすぐに実践しPDCAを回す場があります。ちょうどキッチンスタジオが近くにあるような感じですね(笑)。ストレングスファインダーも社内のチームビルディングに活用しています。社員たちは「今度はこんなことを仕入れてきたんだな」って思っていると思いますよ(笑)。
ストレングスファインダー®を学んでの発見は何でしょうか?
人は一人ひとり皆違うということにもともと違和感はなかったのですが、ストレングスを学んだことで「やっぱりそうだな」と確認することができて、その違いがよりわかりやすくなりました。すると今度は、自分のことも含め「その違いをマックスに生かした時のポテンシャルはどのくらいなんだろう」と思うようになりましたね。また、相手の受け取りやすい伝え方を考えるようになりました。
 私の場合、いつでも「最短で最も効率のよい進め方」というのがほぼ直感的に見えてしまうんです。直感的と言っても、それは短い時間でいろいろ考えた上の直感なんですけれど。なので、人がやるのを見ていると、そのタイムラグが気になって、「なぜ、そんな遠回りをしちゃうんだろう?」とか「だからあの時やっておけばよかったのに。あ〜あ」みたいに思ってしまうんですね。それで以前は、自分が考えた通りに伝えてやらせようとしていました。昔、パートの方に「みんながあなたと同じような速さで考えられるわけではないし、同じようにできるわけではないです!」と言われたことがあるんです。その方はその捨て台詞を言って辞められたんですが、「どういうこと!?」と、その時はショックでした。その他にも、期待をしてもそれが重荷になって調子を崩してしまう社員が周りに何人かいたのです。こちらは良かれと思って機会を与えるのに、「なんで挑戦しないのだろう?」と不思議でした。ストレングスを学んだ今は、相手の傾向性を考え、相手の受け取りやすい伝え方を考え、相手に合わす、ということができるようになっていると思います。
田中さんは「アカンパニスト」(伴走者)と名乗られていますが、そこにはどういう意味がこめられているのでしょうか?
エグゼクティブの方の伴走者として活動したいな、と思ってそう名乗っています。私自身、コーチをつけていて、コーチングの時間はとても大事だと思っています。コーチは答えは言いません。コーチとのセッションは壁打ちのようなものです。でも、大事なことを決断したい時、そしてそれを社内で伝えようと思う時、コーチングを受けることで頭と心の整理がついて、自信を持ってスタートすることができます。
たとえば、こんな方がいらっしゃいました。ある会社の社長様ですが、目の前に予期せぬ大きなチャンスがやってきて、どうすればいいのか迷われてご相談に来られたのです。「譲れない価値は何か」といったことをお聞きするうちに、結局、そのチャンスと思われたものを見送ることにしたのですが、決めた後は「すっきりした。決めたことに迷いはない」とおっしゃっていました。こんなふうに、伴走してくれる人が誰にも必要だと思うのですが、特に経営者などのエグゼクティブにはその存在が欠かせないと思います。自分自身が会社の経営に携わってきて、そしてその間、試行錯誤してきて、それを痛感しました。その実務経験と、これまでに学んで腑に落としてきた知識やスキルなどを使って、そうした企業の経営層のお手伝いをできたらいいな、と思っています。おそらくその背景には、小さい頃、苦労して事業を行っている両親を見て、なんとか楽にしてあげたいと思った気持ちがあるんだと思います。
ストレングスファインダーはどう活かされていますか?
ストレングスファインダーは、「自分が気づいていない宝物のありかを教えてくれるもの」だと思っています。社員やコーチングのクライアントさんには受けてもらうようにしているのですが、その人たちが自分の思い込みなどによって歪んだ見方をしている場合、まず、その歪みを直してフラットな状態にして、ベースを整えて行くことが必要だと思っています。その中で「自分にはこんなステキなところがあったんだ」「自分はこれに助けられてきたんだ」と気づいて、自分を再発見するというのか、もう一度自分に出会ってほしいと思います。そのきっかけに、ストレングスを使っています。ストレングスファインダーは、一人でいても常に支え伴走していくれている、まさに「ティンカーベル」のような役割をしてくれると思います。皆さんにも「自分は大丈夫なんだ」と自分を強く感じられる道具として使ってもらいたいと思います。
今後の展望をお聞かせください。
実は、私は最近まで、自分自身の中にある「火の玉」のような激しいエネルギーの置き場を探してふらふら彷徨っていたように思うんです。自分自身でも、そのエネルギーを扱いあぐねていた感じです。そのエネルギーはいろいろなもので覆い隠さなくてはならならず、居場所がなくて辛かったですね。そこには父がよく言っていた「お前が男だったら」という言葉の影響があると思います。認められるためには人の注意を引く必要があり、そのために「自分は優秀であらねばならない」という強い思い込みがあったと思うのですが、一方で、どんなに優秀でも男にはなれず、「父の期待を実現することはできない」という思いがありました。そこには自分でもどうすることもできない変えられないものへの無力感や欠乏感があったのですね。
でも、最近、NLPを学びながら自分を見ていくうちに、それが落ち着いてきました。家業のお花の仕事は、冠婚葬祭など人々の人生の大事な節目に関わる仕事です。それぞれの一瞬は、そこにいる方々にとっては一生の思い出として永遠に残るものになります。そうした「大切な一瞬を、最高のものとして永遠にしていく場を作るのが私たちの仕事である」というのが、自分の使命感のように思えてきたのです。そうした場を一人でも多くの人に、1箇所でも多くの場所に届けたいと思います。また、それができる社員を育て整えていく必要があります。そして「社員のベストが発揮され輝く場を国内外に開拓し続けること」も、私の使命の一つだと思うようになりました。私はそのために走るのみ、と思うのです。そう考えると、私のこれまでの人生はそのためにあったとさえ思えてきて、私はなんて恵まれた環境にいたのだろうと思いました。ここにきて、全てが一致感を持ってきたのです。「火の玉」が収まるところに収まって、そのエネルギーが使われるべきところにセットされた感じです。
今後は、社員の持つ宝物であるストレングスを引き出しながら、彼らを整え、育てていって、彼らに活躍の場を提供するために、未来を切り開くことが私の役割だと思っています。そして、同時に、企業で影響力を及ぼせるエグゼクティブの方々のアカンパニストとして、コーチング、コンサルティングなどのお仕事も増やしていきたいと思っています。そうやって日本の中小企業を元気にしていきたい、そう思っています。
田中あゆみ
インタビューを受けた方
田中あゆみ
プロフィールの詳細は追加予定です。